
「入社してから地獄だった」「また同じ失敗を繰り返してしまった」
転職は人生の大きな決断。特に発達障害エンジニアにとって、職場環境の良し悪しは仕事のパフォーマンスだけでなく、メンタルヘルスにも直結します。
僕自身、ADHDと診断されたエンジニアで5回の転職を経験しました。そのうち2社は完全にミスマッチで、1ヶ月で休職、3ヶ月で離職という痛い結果に終わっています。今振り返ると、すべて「面接時に確認すべきだったポイント」が原因でした。
この記事では、僕自身の失敗談から、避けるべき会社の特徴と見抜き方をお伝えします。同じ失敗を繰り返さないための、実体験ベースのチェックリストです。転職活動全体の進め方については、発達障害の転職で失敗しない7つのポイントも参考にしてください。
会社の謳い文句
「アットホームな職場です」「みんな仲良く和気あいあい」「家族みたいな関係性」
実際の環境
当時はまだADHD診断を受ける前でしたが、毎日の雑談時間と社内イベントで完全にエネルギー切れ。「自分は人付き合いが下手なだけ」と自分を責め続けていました。1ヶ月目で「月曜朝に足が震えて動けない」状態になり、休職。そこから精神科でADHD診断を受けることになりました。
結果: 1ヶ月で休職、そのまま退職
学び: 「アットホーム」は要注意ワード。プライベートと業務の境界線がない職場は、発達障害者にとって致命傷。「個人の時間が尊重されるか」を必ず確認する。
面接での説明
「フロントエンド専業で進められます」「集中して開発できる環境」「裁量が大きい」
実際の業務
「裁量権が大きい」「フレキシブル」という言葉に憧れて入社しましたが、ADHDの僕には「裁量権 = 全方位マルチタスク」が地獄でした。フロントに集中したいのに、毎時間別案件のSlackが飛んでくる。「今すぐ確認お願いします」が積み上がる。
3ヶ月後にはコードを書く時間が1日2時間しか取れない状態になり、燃え尽き。社内で「真面目に対応してくれない」と評価が下がり、退職を決めました。
結果: 3ヶ月で退職
学び: 「裁量権が大きい」は「丸投げ」を意味することがある。具体的に「1日のスケジュール例」「並行プロジェクトの数」を確認する。ADHDには「専業ポジション」が向いている。
求人での印象
「最新技術にチャレンジ」「若手が活躍」「フラットな組織」
入社後の現実
驚きの社内ルール
ルール | 内容 |
|---|---|
暗黙の出社時間 | 始業30分前が常識 |
退社 | 上司より先に帰れない雰囲気 |
有給申請 | 原則3週間前まで |
リモートワーク | 月1回まで |
朝礼 | 毎日15分 |
進捗報告会 | 週次2時間 |
ADHDの特性で書類ミスを連発し、ASD的な「暗黙のルールが理解できない」感覚で評価が下がっていきました。「IT企業 = モダンな働き方」という思い込みが間違いだったと痛感しました。
結果: 8ヶ月で退職
学び: 社名や業界だけで判断しない。面接時に「勤怠管理ツール」「申請書類のフォーマット」「リモート頻度」を具体的に質問。可能ならオフィス見学で「席次の有無」「服装」「机の上の状態」を観察する。
危険ワード | 隠された意味 | 確認すべきこと |
|---|---|---|
アットホーム | 境界線がない可能性 | プライベートの尊重度 |
やる気重視 | スキルを評価しない | 評価基準の具体性 |
成長できる環境 | 教育体制がない | 研修・OJTの内容 |
裁量権が大きい | 丸投げ文化 | サポート体制 |
少数精鋭 | 一人当たりの負荷が高い | 残業時間の実態 |
実力主義 | サポート体制がない | 1on1の頻度 |
曖昧な表現 | 確認すべき質問 |
|---|---|
風通しが良い | 意見が通った具体例を教えてください |
チャレンジング | 失敗した時のフォロー体制は? |
スピード感 | 品質とのバランスはどう取っていますか? |
フレキシブル | ルールや決まり事はありますか? |
残業ほぼなし | みなし残業はありますか? |
有給消化率100% | 取得しやすい雰囲気ですか? |
平均年齢若い | 離職率はどのくらいですか? |
質問例
危険な回答パターン
質問例
危険な回答パターン
面接での受け答えに不安がある方は、発達障害者の転職面接対策完全マニュアルも参考にしてください。
必須確認項目
理想的な環境
項目 | 理想 |
|---|---|
タスク管理 | 明確な優先順位がある |
コミュニケーション | 非同期(Slack等)中心 |
評価 | 成果ベース |
働き方 | フレックス・リモート可 |
避けるべき環境
必須確認項目
理想的な環境
項目 | 理想 |
|---|---|
ルール | 明確で一貫性あり |
変更管理 | 事前通知あり |
役割 | 明確な責任範囲 |
環境 | 静かで集中できる |
避けるべき環境
5社の経験を経て、現職(フルリモート自社開発、年収800万)にたどり着くまでに、僕は以下の4つを「絶対に妥協しない条件」にしました。
この4つを満たす会社を探すために、Findyやレバテックダイレクト、Wantedlyなどで条件を厳密に絞り、面接でも質問を集中させました。応募数こそ多くはありませんでしたが、「面接で違和感がある会社は速攻で辞退」というスタンスで臨みました。
4社目までは「クローズ就労」(ADHDを伝えずに一般枠で就職)でしたが、現職ではオープンにして応募しました。
オープンにしたメリット
一般枠でも障害者雇用枠でも、応募の段階で「自分の特性と必要な配慮」を言語化できることが大事です。詳しくは合理的配慮の求め方完全ガイドと発達障害のクローズ就労完全ガイドをご覧ください。
転職の失敗を繰り返さないためには、企業の内部事情を知ることが重要です。発達障害への理解があるdodaチャレンジなら、求人票だけでは分からない職場環境について詳しく教えてもらえます。
転職の失敗は誰にでも起こりうることです。特に発達障害エンジニアにとって、自分に合った環境を見つけるのは簡単ではありません。しかし、失敗から学ぶことで、必ず理想の職場に出会えます。
僕自身、5回転職してようやく「自分にとって合う環境」を言語化できるようになりました。最初の転職で完璧な選択をする必要はありません。失敗があったから、次に何を確認すべきかが明確になります。
この記事のポイント
転職成功のためのアクション
あなたの特性を理解し、受け入れてくれる会社は必ず存在します。諦めずに、自分に合った環境を探し続けてください。
「自分に合った会社が分からない」「また失敗するのが怖い」
そんな方は、発達障害への理解がある転職エージェントに相談してみてください。企業の内部事情や職場環境について、求人票だけでは分からない情報を教えてもらえます。
サービス | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
障害者雇用の求人数業界最大級、発達障害専門アドバイザー在籍、入社後6ヶ月間の定着支援 | 幅広い選択肢から選びたい方 | |
定着率90%以上の実績、きめ細かいカウンセリング、企業との関係性が強い | 手厚いサポートが欲しい方 |
すべて無料で利用できます。企業の内部事情を知ってから応募することで、転職の失敗を防げます。
転職エージェントの詳しい比較は、発達障害者向け転職エージェント徹底比較もご覧ください。
この記事は個人の体験に基づくものであり、医療的なアドバイスではありません。 発達障害の診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。 また、記載されている情報は執筆時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。
社会人になってからADHDの診断を受けた当事者。地方在住でフルリモート勤務、年収800万円のフロントエンドエンジニア。転職5回の経験から、発達障害のある方のキャリア形成に役立つ情報を発信。
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