
「また仕事を辞めてしまった...」「なんで自分は仕事が続かないんだろう」
ADHDの方の中には、短期間で転職を繰り返してしまい、自分を責めている方が少なくありません。でも、仕事が続かないのはあなたの努力不足ではなく、ADHDの特性と環境のミスマッチが原因であることがほとんどです。
僕自身、ADHDと診断されるまでに転職を5回繰り返しました。「今度こそは」と思って入社しても、、3ヶ月もたたずに「辞めたい」と思うことの繰り返し。今思えば、原因は自分の側だけではなく、「合わない環境を選ぶ選択肢」にもありました。この記事では、ADHDで仕事が続かない5つの原因と、転職を繰り返さないための具体的な対策を、自分の試行錯誤をベースに解説します。
まず、なぜADHDの方は仕事が長続きしにくいのかを理解しましょう。原因が分かれば、対策も見えてきます。
ADHDの脳は新しい刺激を強く求める特性があります。入社直後は新鮮で集中できても、業務に慣れてくると急激にモチベーションが下がることがあります。
僕も「最初の3ヶ月はこの仕事楽しい!」と感じていたのに、ルーティンが増えてきた途端、毎朝起きるのが辛くなるパターンを何度も繰り返しました。
ADHDの方は、悪気なく相手の話を遮ってしまったり、約束を忘れてしまったりすることがあります。こうした行動の積み重ねが人間関係のトラブルにつながり、居づらくなって退職するケースがあります。
僕も空気を読むのが苦手で、会議で思ったことをそのまま言ってしまい、上司との関係が悪化したことがありました。後で「なぜあんなこと言ったんだろう」と後悔しましたが、その場ではコントロールできないんですよね。
注意力の持続が難しいADHDの方は、ケアレスミスが多くなりがちです。本人は一生懸命やっているのに、周囲から「不注意」「やる気がない」と評価されることで、自己肯定感が下がり退職につながります。
ミスを減らすための具体的な方法は、ADHDのミス防止チェックリストで詳しく紹介しています。
多くの職場では複数の業務を同時に進めることが求められます。しかしADHDの方はマルチタスクが苦手なため、業務量が増えるとパニックになったり、重要なタスクを見落としたりすることがあります。
状況 | ADHDの方が感じること |
|---|---|
電話を取りながらメモ | 内容が頭に入らない |
複数のプロジェクトを並行 | 何から手をつけていいか分からない |
急な依頼が入る | 今やっていた作業を完全に忘れる |
期限が複数ある | 優先順位がつけられない |
ADHDの特性の一つである衝動性が、退職の判断にも影響することがあります。上司に怒られた、嫄なことがあった、という「今の感情」で退職を決めてしまい、冷静になってから後悔するパターンです。
僕も上司に叱られた翌日に退職届を出したことがあります。1週間後には「辞めなければよかった」と後悔しましたが、もう遅かったんです。衝動というADHDの特性を身をもって思い知らされた出来事でした。
原因が分かったところで、具体的な対策を見ていきましょう。
まず、自分の得意・不得意を客観的に把握することから始めましょう。
把握すべき項目 | 書き出す内容 |
|---|---|
集中できる時間帯 | 午前中が集中しやすい、夕方は集中力が落ちるなど |
苦手な業務 | 電話対応、長時間の会議、データ入力など |
得意な業務 | アイデア出し、デザイン、プログラミングなど |
ストレス要因 | 騒音、マルチタスク、曖昧な指示など |
退職のきっかけ | 過去の退職理由を具体的に振り返る |
過去の退職理由を書き出してみると、共通するパターンが見えてきます。そのパターンを避ける環境を選ぶことが、次の転職で失敗しないポイントです。僕はこれをやって「マルチタスクが多い職場」が共通点だと気づきました。
ADHDの方が退職を考えやすいタイミングは、入社後3ヶ月前後です。新鮮さが薄れ、ルーティンが増えてくる時期に当たります。
この時期を乗り越えるコツ:
転職後の乗り越え方については、発達障害者の転職後3ヶ月を乗り切る方法で詳しく解説しています。
障害者雇用枠で働いている方はもちろん、一般雇用でも合理的配慮を申し出ることは可能です。
ADHDの方によくある配慮の例:
配慮の具体的な求め方は、職場での合理的配慮の求め方完全ガイドを参考にしてください。
ADHDの方がタスクを管理するコツは、頭の中で管理しないことです。すべてを外部ツールに書き出し、「見える化」しましょう。
おすすめのタスク管理法:
タスク管理のより詳しいテクニックは、ADHDの段取り改善術でも紹介しています。
転職すること自体は悪いことではありません。大切なのは、今の不満から逃げるための転職なのか、より良い環境を求めるための転職なのかを見極めることです。
逃げの転職 | 攻めの転職 |
|---|---|
嫄なことがあった直後に決める | 十分な情報収集をしてから決める |
「とにかくここを辞めたい」が動機 | 「こういう環境で働きたい」が動機 |
次の職場の条件を深く考えていない | 自分に合う条件を明確にしている |
感情的に判断する | 信頼できる人に相談してから判断する |
ADHDの方が長く働ける職場には、共通する特徴があります。
続けやすい職場の特徴:
自分に合った職種を見つけたい方は、発達障害の特性を活かせる職種15選も参考にしてみてください。
一人で悩まず、専門家のサポートを活用しましょう。
特に転職を考えている方は、ADHDの特性を理解している転職エージェントを利用することで、自分に合った職場と出会いやすくなります。
次の転職で失敗しないために、職場選びで確認しておきたいポイントをまとめます。
確認項目 | チェック方法 |
|---|---|
業務内容の変化はあるか | 求人票の業務内容、面接での質問 |
リモートワークは可能か | 求人条件、面接での確認 |
フレックスタイム制はあるか | 求人条件 |
合理的配慮の実績はあるか | 転職エージェント経由で確認 |
離職率はどうか | 口コミサイト、エージェントへの質問 |
上司のマネジメントスタイル | 面接で直属の上司と話す機会を設ける |
転職エージェントを利用すれば、こうした情報を事前に確認できます。
サービス | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
dodaチャレンジ | 求人数業界最大級、発達障害専門チームあり | 選択肢を広げたい方 |
atGP | きめ細かいサポート、定着支援が充実 | 手厚いサポートが欲しい方 |
どちらも無料で利用できます。自分に合った職場を見つけるために、まずは相談してみてください。
ADHDで仕事が続かないのは、あなたのせいではありません。特性と環境のミスマッチを解消すれば、長く安定して働くことは十分に可能です。
この記事のポイント:
「また辞めてしまうかも...」と不安を感じるのは当然です。でも、特性を理解し、正しい対策を取れば、きっと自分に合った働き方が見つかります。一人で抱え込まず、転職のプロに相談することから始めてみてください。
転職活動全体の進め方は、発達障害の転職で失敗しない7つのポイントもあわせてご覧ください。
この記事は個人の体験に基づくものであり、医療的なアドバイスではありません。 発達障害の診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。 また、記載されている情報は執筆時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。
社会人になってからADHDの診断を受けた当事者。地方在住でフルリモート勤務、年収800万円のフロントエンドエンジニア。転職5回の経験から、発達障害のある方のキャリア形成に役立つ情報を発信。
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