
「ADHDで仕事が続かない」「自分はエンジニアに向いているのか不安」
僕自身、社会人になってからADHD(注意欠如・多動症)の診断を受けた当事者です。地方在住、学歴もない、転職5回。それでも今はフルリモートで働くフロントエンドエンジニアとして、年収800万円に到達しています。
正直、最初の数社では「マルチタスクが捌けない」「会議で集中できない」「曖昧な指示で立ち往生」が続いて、自分はダメな人間なんだと思い込んでいました。診断を受けた後、IT・エンジニア職に絞って環境を選び直したら、状況が一変しました。
この記事では、ADHD当事者として実際に経験した5回の転職、年収アップの軌跡、面接で聞かれた技術質問、合理的配慮の交渉まで、できるだけ実体験ベースでお伝えします。机上の理論ではなく「実際に効いたこと」だけを書きます。
転職活動全体の流れについては、発達障害の転職で失敗しない7つのポイントもあわせて読んでみてください。
興味のあることに対する集中力は、定型発達の方を超えることがあります。プログラミングに没頭できる環境では、驚くほどのパフォーマンスを発揮できる場面があります。
僕自身、課題に取り組み始めると気づけば6時間経っていることがざらにあります。普段は集中力が続かないのに、コードを書いているときだけは別人のように没頭できる。バグを見つけたときの「絶対に解いてやる」という衝動が、そのまま問題解決の原動力になっています。
IT業界では「一つのことを深く」が重視される場面が多くあります。ADHDの「一点集中型」の働き方が、むしろ評価される環境です。
僕が以前勤めていた事務系の職場では、電話応対しながら書類を作り、上司の話も聞く、というマルチタスクが日常で、毎日小さなミスを連発していました。エンジニア職に変わってからは、Slackで非同期に連絡が来て、自分のタスクに集中できる時間が長い。これだけで生産性が桁違いに上がりました。
多くのIT企業が柔軟な働き方を採用しています。自分のペースで仕事ができる環境が整っています。
通勤や雑音から解放されるだけで、ADHD当事者の集中力とメンタルは段違いに安定します。僕の場合、フルリモートに切り替わってから遅刻ゼロ、無断欠勤ゼロの状態が続いています。
コミュニケーションより成果物の質で評価される文化が根付いています。ADHDの方にとって働きやすい評価制度です。
「会議で発言が少ない」「上司との雑談が苦手」が評価を下げる職場から、「コードの品質」「実装スピード」「技術力」で評価される職場へ。同じ自分でも、評価軸が変わるだけで働き方が一変します。
常に新しい技術が生まれるIT業界。ADHDの「新しいもの好き」な特性が、キャリアアップの原動力になります。
飽きっぽさは弱みだと思われがちですが、IT業界では「新しいフレームワークを試したい」「最新のAIツールを使いこなしたい」という好奇心がそのままスキルアップにつながります。僕も気づけばReact、Next.js、TypeScript、Tailwind、と次々に手を出してきましたが、それが結果的に市場価値の維持につながりました。
ADHDエンジニアとしての働き方の詳細は、ADHDプログラマーという生き方でも紹介しています。
各職種の年収レンジは、doda・マイナビ・レバテックキャリア等の公開求人データを基にした一般的な目安です。経験年数や勤務地、雇用形態(正社員/業務委託)で大きく変動します。
1. フロントエンドエンジニア(年収目安: 400〜1,000万円)
2. ゲームプログラマー(年収目安: 400〜800万円)
3. データサイエンティスト(年収目安: 500〜1,200万円)
4. バックエンドエンジニア(年収目安: 450〜1,100万円)
5. セキュリティエンジニア(年収目安: 500〜1,200万円)
6. インフラエンジニア(年収目安: 400〜900万円)
7. プロジェクトマネージャー(年収目安: 500〜1,200万円)
条件 | 理由 |
|---|---|
リモートワーク可能 | 自分のペースで集中できる |
フレックスタイム制度 | 調子の良い時間に働ける |
成果主義の評価制度 | 成果物で勝負できる |
1on1面談の実施 | 困りごとを相談しやすい |
メンタルヘルスサポート | いざという時の安心感 |
求人票に書いていない、僕が現場で痛い目を見て学んだ「見抜くべきポイント」を3つ挙げます。
やること
GitHubポートフォリオに最低限必要なもの
僕が転職活動時に作ったのは、ToDoアプリ、家計簿アプリ、技術ブログの3つでした。完璧を目指さず、「動くものを見せる」ことだけを優先しました。
ADHDの工夫
調査項目
僕が実際に使ったリサーチツール
ツール | 用途 |
|---|---|
OpenWork | 残業時間・離職率・年収レンジの実態 |
Wantedly | カルチャー・働き方のリアル |
Findy | エンジニア向け年収相場 |
X(旧Twitter) | 現役社員の生の声・カジュアル面談打診 |
おすすめ企業タイプ
職務経歴書のポイント
「ADHDをカミングアウトするか」の判断基準
これは正解がない問題です。僕は途中の転職までクローズで通し、現職ではオープンにしています。
クローズ・オープンの選択は発達障害のクローズ就労完全ガイドを参考にしてください。
ADHDの面接対策
僕が実際に聞かれた技術質問の例
これらは「正解」を覚えるよりも、自分の実体験ベースで語れるかが見られます。コードを書いてきた人なら、必ず自分なりの答えがあるはずです。
合理的配慮を交渉した実例
4社目の面接で、僕はこう伝えました。
「ADHDの特性で、口頭指示だけだと細かい点を聞き漏らすことがあります。重要事項はSlackやドキュメントに残してもらえると、ミスなく対応できます。逆にコードを書く集中力には自信があります」
これで配慮を引き出しつつ、強みも示せました。「申し訳ない」と言いすぎず、「お互いに気持ちよく働くための提案」というスタンスで伝えるのがコツです。
面接準備の詳細は、転職面接準備完全チェックリストを参考にしてください。
1. 専門性を極める
2. 希少性を作る
僕の場合、フロントエンド技術+ブログ運営(このサイト)でちょっとした希少性を作っています。「自分でメディアを運営できるエンジニア」という肩書きは、コンテンツ系企業で評価されました。
3. 発信力を高める
参考までに、僕自身の5回転職での年収推移を共有します。
転職 | 業態 | 年収 | そこで学んだこと |
|---|---|---|---|
新卒 | 非IT職 | 約300万 | マルチタスクの職場が壊滅的に向かない |
1回目 | 非IT職 | 約350万 | 環境変えても本質は変わらず、ADHD診断を受ける |
2回目 | 受託IT(未経験) | 約400万 | プログラミングスクール経由でエンジニア転身 |
3回目 | 自社開発Web系 | 約550万 | 初の自社開発、ReactとTypeScriptを実戦投入 |
4回目 | フルリモートWeb系 | 約680万 | 通勤ゼロでメンタル安定、生産性が跳ね上がる |
5回目(現職) | フルリモート自社開発 | 約800万 | ADHDオープンで採用、年収交渉も成功 |
振り返って思うのは、年収アップは「環境を変えること」と「スキルを示すこと」がセットだということ。同じスキルでも、評価される環境を選ぶだけで年収レンジが100〜200万動きます。
フルリモートで年収アップを目指す具体的な戦略は、発達障害エンジニアがフルリモートで年収アップする方法もご覧ください。
期間 | やるべきこと |
|---|---|
1ヶ月目 | タスク管理方法を確立、チームメンバーとの関係構築、開発環境の最適化 |
2ヶ月目 | 小さな成果を積み重ねる、フィードバックを積極的にもらう、業務フローの改善提案 |
3ヶ月目 | 中規模タスクにチャレンジ、自分の強みを周知、長期的なキャリアプランを相談 |
転職後の定着については、転職後3ヶ月を乗り切る方法で詳しく解説しています。
「集中できないADHD」を「集中できるADHD」に変えるのは、根性ではなく道具です。僕が現在使っているツールを共有します。
集中力管理
タスク管理
記憶補助
これらをフル活用して、「忘れる前提」「集中が切れる前提」で動くと、ADHDの特性に振り回されにくくなります。
エンジニアとして本業が安定してきたら、副業の選択肢も広がります。ADHDの「興味の移り変わり」を、副業で発散できるのもメリットです。
ADHDエンジニアと相性の良い副業
副業戦略の詳細は、発達障害エンジニアの副業戦略もあわせて読んでみてください。
ADHDの特性は、適切な環境と職種選びによって、IT業界での大きな強みになります。
大切なのは:
僕も最初の数年は「自分はダメだ」と思い込んでいましたが、環境を変えるだけで人生が一変しました。同じADHDで悩んでいる方の背中を、この記事が少しでも押せたらうれしいです。
エンジニアとしてのスキルを正当に評価してもらえる環境を探しているなら、専門のエージェントに相談するのがおすすめです。
サービス | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|
レバテックキャリア | IT・Web業界専門、年収アップ実績多数 | 技術力で勝負したい方 |
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この記事は個人の体験に基づくものであり、医療的なアドバイスではありません。 発達障害の診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。 また、記載されている情報は執筆時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。
社会人になってからADHDの診断を受けた当事者。地方在住でフルリモート勤務、年収800万円のフロントエンドエンジニア。転職5回の経験から、発達障害のある方のキャリア形成に役立つ情報を発信。
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