
「もうコードを見るのも嫈だ」「朝起きられない」「何のために働いているのか分からない」
燃え尽き症候群(バーンアウト)は誰にでも起こりうる現象です。しかし、発達障害エンジニアは、その特性ゆえに燃え尽きやすく、回復にも時間がかかる傾向があります。
僕自身、ADHDと診断されたエンジニアで転職を5回経験していますが、2社目に入社して1ヶ月でバーンアウトを起こし、休職した経験があります。そこからキャリアを何度も見直し、今ではフルリモートで安定して働いています。
この記事では、僕自身のバーンアウト体験と、そこから学んだこと、再発を防ぐための対策を共有します。何より伝えたいのは、「燃え尽きた自分」を責める必要はないということです。
燃え尽きを経験したとき、多くの方は「自分だけがこんなに弱いのでは」と感じがちです。しかし、発達障害者のためのストレス管理術でも解説しているように、特性を理解した上での対策が重要です。
状況の概要
非IT職の会社、事務・サポート業務。入社初日から「今すぐ使える人材」として期待され、いきなり複数項目を同時進行するタスクを代わる。
当時はまだADHD診断を受ける前で、「手順を覚えていれば何とかなる」と思っていました。しかし、電話を取りながらメールを返信し、帰っていた上司に議事をするマルチタスクで、一つ一つが中途半端になり、ミスが連鎖しました。
3週間目から身体に異変が現れ始めました。朝起きると頭が重い、胃が痛めぶ、電車のホームでなぜか涙が出る。それでも「今辞めたら迷惑がかかる」と思い込み、体を鬼面させて出社していました。
限界が来たのは入社1ヶ月目の月曜朝。電車に乗ろうとして、足が震えて動けなくなりました。そのままトイレで涙が止まらなくなり、医者に行くために会社を休んだのがそのまま休職の始まりでした。診断は「適応障害」と「うつ状態」。そこからADHDの診断も受けることになりました。
実際の回復は、事前に思っていたより長くかかりました。
第1ステージ(休職直後〜2週間): 完全休養。何もしない、寝たいだけ寝る。主治医に「寝るのが仕事」と言われ、罪悪感が少し軽くなりました。
第2ステージ(3週間目〜1ヶ月): 生活リズムを整える。毎朝コンビニまで歩くルーティンを作り、身体を動かす。最初は5分でも疲れていましたが、徳々に走るようになりました。
第3ステージ(2ヶ月目〜): 今後を考える。「同じ会社に戻っても同じことが起きる」と判断し、復職せずに退職を選択。主治医とキャリアカウンセラーと相談しながら、「マルチタスクが少ない職場」を探すようになりました。
第4ステージ(6ヶ月目〜): プログラミングスクールでスキルを身につけ、エンジニア職へ転身。「一人でコードを書く」「チャットで連絡」という業務スタイルは、ADHDの僕には驚くほど相性が良かったんです。
「バーンアウトしたときは『人生が終わった』と思いました。でも振り返ると、あのとき離脱したから、今の働き方にたどり着けたと思います」
発達障害エンジニアの時間管理術で紹介しているエネルギー管理の考え方が、今の働き方のベースになっています。
僕の体験と、仲間のエンジニアたちの話を聞いて見えてきたパターンを整理します。
発達障害エンジニアの燃え尽き症候群を防ぐでは、予防的なアプローチについて詳しく解説しています。
初期症状: 朝起きるのがつらい、慢性的な肩こり・頭痛、食欲の変化、眠眠の質低下、イライラが増える、ミスが増える。
危険信号(すぐに専門家へ相談を): 死にたい気持ち、自傷行為、完全な無気力。これらのサインがあるときは、迫らずその日のうちに医療機関に連絡してください。
エネルギー管理: 毎朝1-10でエネルギーレベルを記録し、高エネルギータスクは午前中に。僕は「コードを書く」「設計を考える」といった高負荷業務を午前中に集中させ、午後はミーティングやコードレビューなどの低負荷業務に充てています。
充電方法: ADHD向けには運動でドーパミン補充(軽いストレッチやウォーキングでも効果あり)、ASD向けには一人の時間確保、ルーティンでリセット。
境界線設定: 始業・終業を守る、休憩時間は必ず取る、できないことははっきり断る。フルリモートでも「デスクを長る」というスイッチを作ると、オンオフの区別がつけやすくなります。
フェーズ | 期間の目安 | やること |
|---|---|---|
Phase 1(急性期) | 1〜4週間 | 心身の安全確保、何もしない |
Phase 2(回復期) | 1〜3ヶ月 | 生活リズム確立、軽い運動 |
Phase 3(リハビリ期) | 2〜6ヶ月 | 段階的な社会復帰、リワーク参加検討 |
Phase 4(再構築期) | 6ヶ月以降 | 持続可能な働き方確立 |
僕のケースでは、Phase 1が約2週間、Phase 2が1ヶ月、Phase 3をとばして転職活動に入ったためPhase 4に達するまでには転職を3回重ねることになりました。「一直線で回復しない」ということも伝えておきたいです。
発達障害者のための緊急時対応マニュアルも合わせて確認しておくと、いざという時に役立ちます。
僕自身に加えて、周りのバーンアウトを乗り越えた仲間たちと話して見えてきた共通点をまとめます。
コード品質にこだわりすぎて締切りを超えてしまう、他人のコードが許せない、という状態から「Done is better than perfect」という考え方にシフトした人が多いです。「完璧なコードより、動くコード」「完璧な自分より、健康な自分」に気づけれるかが鍵です。
興味に任せて限界まで走るのではなく、「今日はここまで」とデスクを長るルールを作っています。ポモドーロ・テクニック、夜19時で完全終了、週末はコードを見ない、など。フルリモートで「充電を背面に進める」タイプもよくそれそだと思います。
主治医・カウンセラー・産業医・仲間・家族に、「疑うと思った時点で即話す」をルールにしている人が多いです。一人で限界を超えてから助けを求めると手遅れになります。
燃え尽き症候群は、決して「弱さ」の証明ではありません。むしろ、限界まで頑張った証。特に発達障害エンジニアは、その特性ゆえに燃え尽きやすいけれど、適切なサポートと工夫で必ず回復できます。
燃え尽きを経験したことは、あなたの「失敗」ではなく「学び」です。その経験は、これからのキャリアをより豊かで持続可能なものにする責重な資産になります。
今日から、自分に優しく、でも着実に前に進んでいきましょう。あなたは一人じゃない。必ず道は開けます。
燃え尽き症候群から回復した後、「次の職場では同じ失敗を繰り返したくない」と感じている方も多いのではないでしょうか。発達障害の特性を理解した転職エージェントに相談すると、あなたに合った職場環境やペースで働ける仕事を一緒に探してくれます。
サービス | 特徴 | こんな人におすすめ |
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また、復職に不安がある方は就労移行支援の利用も検討してみてください。
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AI・データサイエンス特化、定着率96% | IT職種を目指す方 | |
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この記事は、著者自身のバーンアウト体験と、仲間のエンジニアたちとの話をベースに作成しました。医療的アドバイスではないため、具体的な症状は必ず医療機関にご相談ください。
この記事は個人の体験に基づくものであり、医療的なアドバイスではありません。 発達障害の診断や治療については、必ず専門医にご相談ください。 また、記載されている情報は執筆時点のものであり、最新の情報と異なる場合があります。
社会人になってからADHDの診断を受けた当事者。地方在住でフルリモート勤務、年収800万円のフロントエンドエンジニア。転職5回の経験から、発達障害のある方のキャリア形成に役立つ情報を発信。
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